合格率・合格実績はどう読む?算出方法の違いと「重複計上」に注意

講座の紹介には「合格率○○%」「合格者○○名」といった数字が並びます。ただ、同じ「合格率」でも、何を数えているかで数字が大きく変わります。公式の統計と、講座会社の合格実績を、どう読み分けるかをまとめます。
公式の合格率でも、分母が違う
試験の実施団体が公表する数字でも、見る場所で分母が違います。
| 例 | 分母 | 数字 |
|---|---|---|
| 国家一般職(大卒程度・行政区分)2026年度 | 申込者 16,085人 | 最終合格者5,618人。申込者÷合格者で2.9倍 |
| 同上 | 受験者(第1次試験)12,010人 | 受験者÷合格者で2.1倍 |
| 1級建築施工管理技士 第二次検定 令和7年度 | 受検者 18,160人 | 合格者7,091人、合格率39.0% |
人事院は、国家一般職の実施状況で、申込者ベースと受験者ベースの2つの倍率を並べて公表しています。講座会社が「倍率」「合格率」を載せるときも、どちらの数字かを確かめましょう。
同じ試験でも、段階と年度で変わる
- 一次と二次は別の数字です。 令和7年度の1級建築施工管理技術検定は、第一次検定が受検者41,812人・合格者20,294人(48.5%)、第二次検定が受検者18,160人・合格者7,091人(39.0%)でした。資格を取るには両方に合格します。
- 年度でも動きます。 1級土木施工管理技術検定の第二次検定の合格率は、令和5年度33.2%、令和6年度41.2%、令和7年度38.9%でした。
- 受検者の内訳でも違います。 令和7年度の1級土木の第二次検定は、受検者24,667人のうち、その年に第一次検定に合格した人が7,176人、第二次検定のみの人が17,491人でした。
- 電気工事士は学科と技能が別に公表されます。 令和7年度の第二種電気工事士は、学科試験が受験者139,087人・合格者78,711人(56.6%)、技能試験が受験者99,610人・合格者71,471人(71.8%)でした。技能試験を受けるのは、学科試験の合格者や学科の免除者だけです。2つの数字を単純にかけても、全体の合格する確率にはなりません。
講座会社の合格実績は、数え方を確かめる
| 表示の例 | 確かめること |
|---|---|
| 「合格者○○名」 | 受講生だけか。資料請求者・無料講座・模試のみの人を含んでいないか。全コースか単科も含むか。何年度か |
| 「合格率○○%」 | 分母は誰か(申込者、受講を完了した人、アンケートに答えた人など) |
| 「合格者の○割が当校」 | 母数は誰か。複数の学校に通った人をどう数えているか |
| 「No.1」 | 調査した機関、調査の方法と期間、対象はどこか |
「重複計上」とは
同じ人の合格が、複数の数字に入ることです。
- 公務員試験では、1人が国家一般職・県庁・市役所の複数に合格すると、予備校の「合格者数」で、1人が複数名として数えられることがあります。複数の予備校を併用した人を、各校が自校の合格者として数えることもあります。
- 通信講座と模試、スクールと単科など、複数のサービスを使った人は、どれで合格したかを分けられません。
過去には、受講生の合格者数として示した数字に、受講していない人の合格を加えていたとして、景品表示法にもとづく措置命令が出た事例があります(2011年、大学入試講座。消費者庁の違反事例集)。実際の合格者数は表示の人数を大きく下回っていました。
重複を避ける見方は、「実人数か」「受講生だけか」「算出方法が書かれているか」の3つです。
公式の統計を探す
| 試験 | 公表元 | 見られる数字 |
|---|---|---|
| 公務員(国家) | 人事院 | 試験実施状況(申込者・受験者・合格者・倍率) |
| 施工管理技士 | 建設業振興基金、全国建設研修センター | 試験地別の実施状況、合格率、合格基準 |
| 電気工事士 | 電気技術者試験センター | 学科・技能の受験者・合格者の推移 |
| 宅建 | 不動産適正取引推進機構 | 試験実施概況 |
資格えらびでの載せ方
資格えらびの比較では、合格実績を載せるとき、何を数えた数字か(算出方法)、年度、出典を併記します。算出方法を確認できない場合は、その旨を書き、数字を並べて優劣をつけません。